信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

否決の計画なお流動的 多部・単位制に根強い反発も
2006年9月16日掲載

 県立高校再編は、県会臨時会が15日に可決した3計画で来春の統合が決まったが、否決された計画の今後の扱いなど、依然として流動的な部分が残っている。
 可決された飯山照丘と飯山南、中野と中野実、木曽と木曽山林は、教育課程の詳細を詰めるなど統合の準備を急ぐ。9月県会に関連予算が計上される見通しだ。
 一方、否決された6計画の対象校は当面存続。来春入試は今春までと同様の教育課程で行う。ただ、県教委は計画そのものを破棄してはおらず、「今後については別に検討を加える」との姿勢だ。これに対し、村井知事は15日の会見でこれらの計画の大幅な見直しを「否定しない」と発言。今後の展開は見えない。
 このうち、飯田工と飯田長姫は「地域の合意ができている」(南信州広域連合で統合案をまとめた岡庭一雄・阿智村長)。県会の文教委員長報告も「施設整備を進めることで08年度からの統合は可能」としている。
 再編計画はこのほか、総合学科やへ転換する5計画がある。このうち、丸子実と、松本筑摩・松本工の2計画は県会に反対請願などがなく、予定通りに進む見通しだが、多部制・単位制に転換する屋代南や野沢南では、関係者に反対の声が根強い。
 6月県会では、統廃合による募集停止に県会の同意が必要−とする条例が成立。だが、県教委は、定時制が統合されても全日制が存続する多部制・単位制転換に県会の同意は不要−と解釈していおり、今回のような議案は提出されない可能性が高い。地元の関係者らの反発は必至だ。


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