信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

可決3、否決6 県会文教委が採決、本会議も同様に
2006年9月15日掲載

 県会文教委員会(西沢正隆委員長・9人)は14日、県側が臨時会に提出した県立高校統廃合関連の9議案を採決し、飯山照丘と飯山南(ともに飯山市)、中野と中野実(ともに中野市)、木曽と木曽山林(ともに木曽郡木曽町)の3件を可決、残る6件を賛成少数で否決した。15日の本会議の採決でも同様の結果となる見通し。県教委が一部を除き2007年度実施を目指してきた高校再編計画は、大幅な見直しが避けられなくなった。
 採決は委員長を除く8人で行い、県教委が当初計画を1年先送りし、08年度からとした長野南と松代(ともに長野市)、岡谷東と岡谷南(ともに岡谷市)は賛成1、反対7だった。このほか、大町と大町北(ともに大町市)は賛成3、反対5。中条(上水内郡中条村)と犀峡(同郡信州新町)、蓼科(北佐久郡立科町)と望月(佐久市)、飯田工業と飯田長姫(ともに飯田市)はいずれも賛成4、反対4の同数となり、委員長裁決で否決された。
 討論では清水保幸委員(志昂会)が、07年度実施の7議案に賛成の立場から「県教委の進め方は許すことはできないが、これまでの過程ではなく、統廃合(の是非)を判断しなければならない」と主張。一方、平野成基委員(自民党県議団)は、飯田工と飯田長姫の統合に反対し「急がなければ地元の合意は得られる。施設整備の予算を組んでから統合をしてほしい」と求めた。反対討論ではこのほか「地域合意ができていない」との意見が相次いだ。
 委員長裁決で3件を否決したことに、西沢委員長は委員会後「迷ったが、賛否が拮抗(きっこう)しているものは現状を維持し、話し合ったほうがいいと判断した」と述べた。一方、委員会に出席した松田泰俊・県教育委員長は取材に対し「本会議の採決があるのでコメントは差し控えたい」と話した。


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