信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

異なる内容を県会に要望 5校の統合対象関係者
2006年9月 9日掲載

 県立高校再編問題をめぐり、統廃合対象校の関係者らが8日、相次いで県会や県への請願や要望を行った。この日は、13日からの臨時県会に県側が提出する計9件の統廃合関連議案のうち3件に関係する計5校の生徒や同窓会、地元首長が県会などを訪問。地域の状況を反映し、「計画の白紙撤回」「実施時期の延期」「予定通りの推進を」−と、それぞれ要望内容は異なった。
 このうち、県教委が松代(長野市)との統合を1年延期する方針を示した長野南(同市)の同窓会やPTAでつくる「長野南高校の存続を願う会」は、鷲沢正一長野市長との連名で、学校存続と再編計画の白紙撤回を求める請願書を県会に提出した。願う会の栗田裕善副会長は「地域の人口は減少傾向になく、統合の明確な理由がない」と統合計画を批判。麻沼和男会長も「力添えをお願いしたい」と求めた。
 また、長野南の生徒会役員4人は同日、県会全会派の控室を訪れ、県議に「存続についてのお願い」を配布。生徒会書記の岡沢美智子さん(17)は「長野南も松代も頑張っている。白紙撤回してほしい」と訴えた。
 一方、南信州広域連合と同連合議会は、県教委が2007年度からの募集開始方針を変えていない飯田工と飯田長姫(ともに飯田市)について、統合の延期を県と県会に要望した。統合後、校舎を活用する予定の飯田工の施設、設備の整備方針が固まっていない点を理由に挙げ、校舎の活用計画が「不明確」と主張。岡庭一雄・下伊那郡阿智村長は「財政計画が示されない統合では納得できず、住民にも説明できない」と話した。
 これに対し、「中野立志館」の新校名や制服のデザインが決まり、07年度春の統合に向け準備が進む中野、中野実(ともに中野市)の同窓会長やPTAらの「総合学科高校を創(つく)る会」(事務局・中野市教委)は、計画通り新高校を開設するよう求める村井知事と萩原議長あての要望書を提出。同会の原修一郎会長は「地域要望を取り入れて議論が進んでおり、結論を待ち望んでいる」と述べた。
 臨時県会での判断を前にした各地域の要望に、萩原清議長は「地域の声を聞き、実情に合った改革になるよう、一つ一つの再編案をきちんと審議したい」(長野南の『願う会』に対し)と応じた。


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