信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

高校改革プラン実施計画 佐久・上田で説明会
2006年4月23日掲載

<佐久 多部制・単位制に疑問>
 県教育委員会は22日、県立高校を統合・再編する高校改革プラン実施計画の地域説明会を佐久市と上田市で開いた。対象校の関係者らから見直しを求める声が上がる中、2007年度(多部制・単位制は1校を除き08年度)の一斉実施方針を変えない県教委の進め方に、両会場とも批判や不満が出た。
 佐久市の県佐久勤労者福祉センターには130人が参加。県教委側は、蓼科(立科町)と望月(佐久市)を統合し蓼科の校舎・校地を使う、野沢南(佐久市)は多部制・単位制に転換する―といった「基本的枠組みは堅持する」と説明した。
 市内の中学教員は「多様なニーズに応える選択科目群は、多部制・単位制校でなければできないのか。全日制普通科でも対応できると思う」と質問。県教委側は「多部制・単位制は自分でカリキュラムを組め、主体的に学べる」と答えたが、かみ合わなかった。
 同窓会員や高校生が「地域にこれだけ反対の声があるのに再編を強引に進めて、誰のための改革か」とただしたのに対しては、「対象校や小中学校、地域など、きめ細かく説明会を開いて説明させていただく」とした。
<上田 上田千曲の機械科存続の訴え>
 上田市文化会館で開かれた高校改革プラン実施計画地域説明会には約60人が参加。機械科がある上田千曲(上田市)の定時制を、多部制・単位制への転換が示された第1通学区の屋代南(千曲市)に統合する計画に対し、見直しを求める意見が相次いだ。
 子どもが上田千曲定時制に通っている男性は「日々(工場などでの)仕事に生かしながら機械科に通うことが屋代南ではできなくなる」と訴えた。県教委の計画では、多部制・単位制に転換する屋代南に機械科はない。上田市内の中学の男性教諭は「定時制でも、普通科ではなく機械科を選択する子は確実にいる」と述べた。
 「働きながら学ぶ生徒にとって、学校が遠くなることは深刻。今の時代、残業を求められてできなかったらリストラされる」との声も。県教委側は「一つ一つのニーズをすべて満たすことはできない。苦肉の策だが、細かいニーズへの対応は(存続する)各学校で真剣に考えることを約束する」とした。


<前の記事 どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun