信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

高校再編計画を決定 多部・単位制は段階導入に
2006年3月31日掲載
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 県教委は30日、県庁で開いた臨時会で、県立高校89校を79校に再編する実施計画を決定した。各通学区に1校ずつを目標としてきた多部制・単位制高校の設置は、第4通学区(中信)の松本筑摩を除き、一斉実施の2007年度ではなく08年度とした。これについて県教委は「多部制・単位制の理解が十分でなく、06年度中の周知は難しい」との理由を示した。
 再編実施計画で松本筑摩のほかに多部制・単位制に転換するのは、屋代南(第1通学区=北信)、野沢南(第2通学区=東信)、箕輪工業(第3通学区=南信)の3校。
 総合学科校も、第3通学区は転換対象校を示さなかった。県教委は「生徒の選択肢拡大にとって極めて重要で、研究課題としたい」(松田泰俊教育委員長)と説明した。
 第3通学区では岡谷東と岡谷南を統合し、進学に対応した全日制の単位制高校とする。当面は両校の校舎を使用するが、将来は岡谷南の校舎へ統合していく。第4通学区で、木曽と木曽山林の統合校の森林環境科とインテリア科は生徒を全国から募集する。
 県教委は実施計画で、実施(募集開始)年度、使用校舎、課程(全日制・定時制)、学科、学級規模、コース制などの内容を示した。コース制や総合学科の系列(科目選択の目安)は「関係者の意見を聞き、変更することもある」(米沢修一教育次長)としている。
 県教委は4月以降、中学校や高校、地域などへの説明会を開き、併せて意見聴取も行う。07年度に再編を実施する高校については、7月までに募集内容を決め、8月から受験生を対象に体験入学を始める。
 松田県教育委員長の話 (再編の)該当校の校長が中心になって関係者の意見をよく聴き、魅力ある学校づくりを進めてもらいたい。意欲を持って生き生きと学べる高校に高まっていくことを期待する。県教委にとってもこれからだと思っている。
 高校改革プラン 少子化や財政難を受け、県立高校の統廃合や魅力づくりを考える計画。有識者らの高校改革プラン検討委員会は2019年までに現在の89校を79校にする削減目安を提示。これに基づき県教委は昨年5月、4通学区ごとに改革プラン推進委員会を設置、同6月に「たたき台」として再編案を示し、地域に応じた統廃合や魅力づくりの検討を依頼した。各推進委は2月上旬までに県教委に報告書を提出した。


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