信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

再編で困惑抱えて 統廃合など候補校の受験生
2006年2月10日掲載

 県内公立高校で9日に行われた導入3年目の自己推薦型入試。「定着しつつある」(県教委)という見方がある1方、高校再編問題で統合対象や多部制・単位制への転換候補になった高校の受験生からは困惑の声も挙がった。
 第3通学区(南信)の高校改革プラン推進委員会で昨年11月、岡谷東(岡谷市)との統合という県教委案とは異なる案が浮上した岡谷南(同)。受験した諏訪市内の女子生徒は「統合の話は嫌だったが、親からは『勉強はできるんだから大丈夫』とアドバイスされ、気持ちを入れ替えた」。
 入学後は「剣道部に入って活躍したいし、勉強も頑張りたい」との希望を持っているが、「統合後の高校がどちらの教育内容に合わせるのか、校舎はどうなるのか…」と不安そうに話した。
 県教委は2007年度に高校再編を一斉実施する方針。今年の受験生は再編前の高校に入学するが、自分の高校が統廃合されて校舎を使わなくなった場合は来春から後輩が入学してこなくなる。
 多部制・単位制への転換候補に名前が挙がっている野沢南(佐久市)を受験した佐久市内の女子生徒は「(全日制として入学する)下級生がいなくなると部活動がどうなるか不安。でも第1志望だったので」と話す。
 松代(長野市)との統合が示された長野南(同)。市内の男子生徒は「両親には『先行きが不透明だからランクを落としてでも統廃合のない学校へ行けば』と言われた」。だが、サッカー部で一緒だった中学の先輩の勧めもあって同校への受験を決めたという。
 大町(大町市)との統合が示されている大町北(同)を受験した女子生徒は不安もあったが、同校のアジア・アフリカ難民支援運動に関心を持ち「在学中に高校がなくならなければいい」と志願。下伊那郡内の男子生徒は、飯田長姫(飯田市)と飯田工業(同)が統合する可能性に「まったく関係ない」とし、「土木の勉強をして測量の技術など専門的な知識をしっかり身に付けたい」と話した。


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