信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

当面の存続要望 反映されず 上農定時制で不満も
2006年1月31日掲載

 第3通学区(南信)の高校改革プラン推進委員会が30日まとめた最終報告で、多部制・単位制校に統合するとした上伊那農業定時制(伊那市)の関係者は「求めていた少人数の教育環境確保が十分反映されていない」と不満を示し、実施計画を策定する県教委に引き続き要望していく考えだ。
 同校PTAや同窓会はこれまで、県教委、推進委員との懇談会や要請文で「不登校経験者らの受け皿になっている少人数の良さが多部制・単位制校に継承され、軌道に乗るまで定時制を存続させてほしい」と要望。推進委の池上昭雄委員長は「懇談会の意見を参考に付記事項を最終報告に盛る」意向を示していた。
 その付記事項は、多部制・単位制校の新設について「各定時制高校の実情も考慮しながら、各方面からの提言を尊重し、課題を克服するよう配慮されたい」とする内容。池上委員長はこの日の会合後、「定時制生徒の教育の機会均等に配慮した」と説明した。
 だが、傍聴していた同校PTAの女性は「何の確証もない。その点で全然進歩していない」。同校教員も「こちらの要望が具体的に入っていない」と批判。県教委は学校や地域の意向を聞いて高校再編を実施する方針を示しており、「これからは県教委に思いを伝えていきたい」と話した。


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