信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

高校第1通学区 多部制・単位制転換「屋代南が優位」
2006年1月30日掲載

 第1通学区(北信)と第2通学区(東信)の高校改革プラン推進委員会は29日、それぞれ18回目の会合を開き、第2は県教委への報告書案をまとめ、第1は大筋で合意を得た。これにより26日に県教委に報告書を提出した第4(中信)のほかは、18日に最終報告の原案を示した第3(南信)を含め全通学区で、近く県教委に報告書が提出できる見通しとなった。基本的には県教委案に沿った形だが、推進委が異なる統合案を示し、結論を絞り込めない通学区もある。
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 長野市で開いた第1通学区の高校改革プラン推進委では、坂城(埴科郡坂城町)と屋代南(千曲市)が挙がっている多部制・単位制への転換候補について、判断を一任されていた中村正行委員長が屋代南を「優位」とするよう提案した。また、長野南と松代(ともに長野市)の統合については「やむを得ない」との方向が固まった。ただ、県教委が統合後の校地・校舎を松代としているのに対し、推進委は報告書で松代と長野南の両論併記とした。
 多部制・単位制への転換では、県教委は坂城を候補に挙げたが、委員から屋代南とする意見が出ていた。中村委員長は屋代南を優位とした理由を「上田市や長野市など都市部からの通学の利便性がある」と述べた。会合では屋代南の転換に一部反対意見もあり、報告書の決定は2月上旬の次回会合に持ち越した。
 長野南と松代の統合については、旧第4通学区(長野市南部や千曲市など)から旧第3通学区(長野市北部など)の高校へ流れる生徒が多いため「統合はやむを得ない」(中村委員長)とした。報告書には「すぐには再編・統合の必要がないと判断できる」との意見も盛り込むことにした。
 他の再編は(1)飯山照丘、飯山北、飯山南の3校を統合(2)中野と中野実業を統合して総合学科に転換(3)中条と犀峡を統合−とする。
 県教委は2007年度に高校再編を一斉実施する計画だが、この日の会合では、生徒募集が間に合わないとの懸念から「08年度以降に実施すべきだ」との意見も出た。報告書では受験生の立場から「早期実施」を求める一方、「着手できるところからの段階的実施」も求めることにした。


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