信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

野沢南の多部・単位制転換 「地元の理解は」反発
2006年1月10日掲載

 第2通学区(東信)の高校改革プラン推進委員会が9日、野沢南(佐久市)の多部制・単位制への転換を県教育委員会への最終報告に盛り込むと決めたことに、同校関係者から「地元の理解を得ていない」「もっと時間をかけるべきだ」との声が上がった。

 同校の多部制・単位制への転換が県教委の再編案で示された昨年6月以降、同窓会やPTAなどは白紙撤回を求めてきた。昨年9月、県教委に同校の普通科校としての存続を求める要望書を提出。11月には推進委で関係者が、白紙撤回か、他地域での多部制・単位制導入の成果を見てから検討すべきだ−などと意見を述べた。

 12月には生徒会も同校存続を求める要望書を県教委に提出するなど、反発は強かった。

 9日、傍聴席で推進委の議論を見守った井出亮・同校PTA会長は「地元の理解を得ていない転換は、納得できない」。同じく傍聴した岩岡孝同窓会長は「今回の高校改革の議論は拙速。教育については時間をかけて議論すべきだ」と話した。同窓会やPTAの関係者は近日中に協議し、県教委などに再考をあらためて求めていく考えだ。

 この日、同校の3年男子は「生徒や地元の意見を聞かずに、勝手に決められた印象。多部制・単位制はイメージする高校と違い、寂しい」と話していた。


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