信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

望月と蓼科の統合了承 地元根強い反発
2005年12月29日掲載

 第2通学区(東信)の高校改革プラン推進委員会(飯島俊勝委員長)が28日、望月(佐久市)と蓼科(立科町)の両高校を統合するとの結論を出したことに対し、望月高の関係者は「承服できない」と反発。多部制・単位制への転換候補に挙がった野沢南高(佐久市)について結論は持ち越したが、同校関係者からも「白紙撤回」の訴えが聞かれた。地元の反対が根強い中、いまだに不透明な統合後の将来像や多部制・単位制のあり方を、どのように描いていくか課題は多い。

 この日の委員会は大半を非公開で議論した後に公開とし、望月や野沢南の同窓会関係者ら約40人が傍聴した。「望月高校存続と発展を図る実行委員会」の上野品吉会長は会合後、「残念でたまらない」と語った。

 同実行委は対案として、望月を多部制・単位制に転換して存続させるように求めた。推進委では「難あり」とされたが、上野会長は「多部制・単位制が望月にふさわしいという考えは変わらない」と強調。「県会でも議論があるだろう。地域で相談し、より良い方向を見出したい」と、今後の議論に地元の意向を取り入れるよう求める考えを示した。

 一方、「野沢南高校全日制・定時制を守り発展させる会」の岩岡孝会長は、「多部制・単位制とは何かをもっと研究してほしい」とする。多部制・単位制のあり方の検討が不十分だとし、地域での論議を喚起するため年明けに講演会も計画している。

 飯島委員長の説明だと、非公開の会合では対象校について、野沢南以外の高校名も挙げて議論したという。だが、「ブラックボックスの中では何が論議されたのか見えない」(井出亮・野沢南高校PTA会長)との反発も聞かれた。

 推進委は今後、どの高校を転換するか論議を詰める。次回は公開で行うと表明した飯島委員長は「全部校名を出して議論するのか、ある程度絞って議論するのか考えたい」としている。

 このほか再編案は、上田と上田千曲の定時制を第1通学区の多部制・単位制転換候補の坂城に統廃合する−としており、第1通学区の論議にも影響を受けることになる。


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