信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

再編、一斉には「無理」 第1通学区推進委員長
2005年12月26日掲載

 第1通学区(北信)高校改革プラン推進委員会の中村正行委員長は25日、県庁で開いた15回目の会合で、2007年度に県立高校の再編を一斉実施する県教委の方針について、「無理と考える」と述べた。通学区単位の再編論議の責任者である推進委員長が、再編の一斉実施に厳しい見方を公式に示したのは、4通学区のうちで初めて。

<予算確保の困難さ挙げ>

 来年1月初中旬を予定している報告書のまとめ方について話し合う中で言及した。理由の1つとして「多部制・単位制の多様な学びのスタイルに対応するためには、IT(情報技術)化が必要になるなど予算確保が難しい」ことを挙げ、「一定の方向性が得られたところから(再編を実施する方)がいい」と話した。

 会合では、多部制・単位制の配置をめぐり、坂城(坂城町)を転換して設置するという県教委案に対し、屋代南(千曲市)や、交通の利便性を理由に長野市内の高校を転換する意見も出ていることを踏まえて論議。同市内への設置について「市街地に未使用の施設を利用して設置を」「既存の定時制に多部制・単位制の要素を付け加えることはできないか」といった意見が出た。

 これに対し「県教委案は上田市内の定時制の統合が前提で、坂城か屋代南をまず考えるべきだ」といった意見もあり、長野市内の高校名は挙がらなかった。このため次回の会合では坂城、屋代南を軸に議論を進める。

 一方、長野南と松代(ともに長野市)の統合案で、長野南の校舎を使う新たな案が浮上しているため、松代の同窓会やPTAなどは「松代の地で存続していくこと」を求める意見書を提出。屋代南の関係者も普通科と家庭科の併設校での存続を求める要望書を出した。


<前の記事 どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun