信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

障害児と親の意見 反映を 県民有志が県教委に要望
2005年12月14日掲載

 高校改革プランについて考える県民11人が13日、県庁で県教委と懇談し、高校改革の議論に軽度発達障害や軽度知的障害の子どもと保護者の意見を反映するよう要望した。これに対し、県教委の岩嶋敏男自律教育課長は、養護学校分教室のモデル事業や、高校と自律教育の教育課程の違いを挙げ、「高校改革と自律教育の問題を切り離して考えてもらいたい」と述べた。

 高校再編の枠組みを決めた県教委の高校改革プラン検討委員会は今年3月の最終報告で、「県立高校に養護学校高等部の分教室や分校を併設し、学びの場や生活の場を設ける」検討をするよう指摘した。しかし、実際には通学区ごとに再編を話し合う高校改革プラン推進委員会ではほとんど議論されていない。

 この日の懇談は、小中学校の自律学級に子どもを通わせる保護者や元中学校教員ら、現在の高校改革論議に自律教育の観点がないことを疑問視する人たちの要望で開いた。

 中学校の自律学級に子どもが通う長野市の石井圭子さん(43)は「もし高校が削減され、定時制が統廃合されると障害児の進路の選択肢が狭まる」と訴え、養護学校高等部以外の進学先が限定されると指摘。「障害児を県立高校に受け入れる」ことを議論するよう求めた。

 中野市の高校教育を考える会代表で、元中学校教員の馬島直樹さん(75)は「成績優秀な子は高校再編後も有利な選択ができるが、そうでない子たちが行く高校はあるのか」と指摘した。


<前の記事 どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun