南信州広域連合(連合長・牧野光朗飯田市長)の「高等学校の未来検討委員会」(委員長・岡庭一雄下伊那郡阿智村長)は2日、飯田市内で開いた5回目の会合で、飯田下伊那地域の高校再編について、同市の飯田長姫と飯田工業を対等の形で専門高校として統合する案に意見集約した。岡庭委員長が4日の第3通学区(南信)高校改革プラン推進委員会で報告する。
飯田長姫と近くの下伊那農業を統合して総合学科校を新設するとした県教委再編案とは異なる内容。推進委は旧通学区(諏訪、上伊那、飯田下伊那)ごとに1校減とする方針を打ち出し、諏訪と上伊那の推進委員は11月の会合で再編案を報告している。これで旧3通学区の具体案が出そろうことになる。
検討委では、飯田長姫同窓会長の三ツ井慶一委員が、11月25日に開いた同窓会の会合で、地域に専門学科を維持させるためには商業のほか土木、建築科がある飯田長姫と飯田工業の統合が望ましいと集約した―と報告。一方、飯田工業同窓会長の佐々木重光委員は、飯田長姫同窓会の論議を受けて同29日に開いた会合で、将来的に工業専門校の充実が必要だという意見は多く出た―と報告。ただ、結論は出ていないという。検討委は議論の結果、両校の統合を総意とすることで合意した。
検討委は推進委の議論を見極めたうえで、16日に答申案をまとめ、牧野連合長に提出する。ただ、両校にある定時制の扱いなどについて議論を詰めておらず、第3通学区で総合学校新設案がなくなることの是非や、飯田工業同窓会の論議の行方など、流動的な要素も残っている。