「学校の魅力が薄れそう」「審議の行方を見守りたい」―。第3通学区(南信)の高校改革プラン推進委員会で、上伊那では「箕輪工業を廃止し、多部制・単位制に転換」との独自の削減案が報告されたことに、学校関係者は24日、不安の一方、冷静な受け止めも示した。
箕輪工の1年男子(15)はこの日、「文化祭やクラブ活動ができなくなって魅力が薄れそう」と不安を漏らした。同校の丸田晃同窓会長(68)は「4万8000人の署名を集めて存続を求めてきたが、もう反対一辺倒ではだめ」との受け止め。「看板が変わっても、学校の充実を図りたい」
23日の推進委では、県教委が箕輪工業の廃止と並んで挙げた「駒ケ根工業を赤穂に統合」する案は、検討対象から外れた。駒ケ根工の三浦靖幸同窓会長(58)は「工業高校をなくすな―と南部4市町村一体で訴えてきたことが理解されたのではないか」。まだ飯田下伊那の案が出ていないことから、「答申されるまで審議に注目していく」と話した。
上伊那の推進委員によると、独自案作りでは、地元に前向きに受け入れてもらえることを重視した。上伊那の各高校を廃止した場合、通学時間や地域産業にどんな影響があるか検討。その結果、箕輪工は工業科、普通科ともに岡谷市や近隣市町に競合校があり、廃止しても影響が比較的小さい、と判断したという。
23日の会合で、委員は学校の魅力を増すための私案も公表。総合工学科を設けて工業教育の機会を残し、3年間での卒業を原則に昼・夜間部など複数受講を可能にし、体験学習を積極的に取り入れるなどとした。