信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

第3通学区推進委方針 「痛み分け」案…不満残る地区も
2005年9月11日掲載

 第3通学区推進委が大枠で一致した「諏訪、上伊那、飯田下伊那で各1校削減」の方針は、県教委再編案とは異なる独自案の提案に向け、4通学区の推進委として初めて示した具体的な方向性だ。だが、各地区の委員間で不満も残っており、議論の行方は流動的だ。

 これまでの論議では、諏訪地区が削減対象外となっている県教委案について、諏訪以外の委員から「上伊那から諏訪に生徒が流入しているのに、諏訪に定員に満たない普通科がある」「県教委の中学卒業者予測では2019年で上伊那と諏訪で百人しか違わない」などと不満が出ていた。「3地区で各1減」案は「痛み分け」による落としどころを狙った面もある。

 ただ、諏訪地区の委員からは「(県教委案のように)諏訪の中学卒業者数は今後、あまり減らない」「(現在の定員割れは)学級減で対応できる」などと削減に否定的な声が相次いだ。3地区の部会設置を求めてきた下伊那の委員も「削減ありき、は無理がある。魅力ある高校づくりの議論を尽くすべきだ」とする。

 池上委員長は今後、職業科の配置などについて通学区全体の論議をした上で、3地区から削減対象校を挙げてもらう考えだが、各論の段階で委員間の認識や主張の違いがどこまで縮まるかは不透明だ。


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