信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

長野南高存続へ回覧板―署名用紙、配布 一部自治会
2005年8月 7日掲載

 県教委の県立高校再編案で松代高校(長野市)への統合が示された長野南高校(同市)の同窓生らが、存続を求めて署名活動を始めたところ、一部で自治会組織が回覧板を使い用紙を回していることが6日、分かった。住民から「水を差すつもりはないが強制的に感じる」と指摘が出ている。

 署名は、同窓生や地元住民でつくる「長野南高校の存続を願う会」が実施。通学の主なエリアの川中島(約9000戸)と更北(約1万1000戸)の両地区に協力を要請した。それぞれの地区会長は、計35区の区長に、各区長は構成する自治会に、協力を求めた。

 更北地区の丹波島区にある複数の自治会組織では、回覧板と一緒に署名用紙が回った。用紙は1枚に10人分の名前や住所を記入するようになっている。ある男性は「誰が署名したかしなかったか分かり、隣組で回すのは強制的な感じ」と言う。

 回覧板を使った自治会の責任者らは「特に疑問に感じなかった」と話す。更北、川中島両地区内の区長らは「アパートなど留守宅も多い。回覧板利用もやむを得ない」「手間が省け合理的と思った」などとしている。

 「願う会」の浅沼和男会長(81)は地区に協力を求めた方法について「県教委の動きが見えにくい中で早く署名活動を進めたいとの思いだった。もう少し慎重にやるべきだった」と話している。


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