信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

長野南高生徒会、県教委招き討論会 統合―疑問相次ぐ
2005年7月23日掲載

 県教委の県立高校再編案で、松代高校(長野市)への統合が示されている長野南高校(同市)の生徒会(柳沢和也会長)は22日、県教委を招き生徒討論会を開いた。県教委が生徒主催の討論会に出席したのは初めて。1983(昭和58)年開設の新設校のため、生徒側からは疑問が続出した。坂城町も同日、町内唯一の坂城高校を多部制・単位制校に転換する案について、県教委を同校に招いて懇談会を開催。当事者を交えた議論が本格化している。

 長野南の生徒会は、再編案公表後の7月上旬に開いた文化祭で、在校生が書いた高校存続や統廃合反対のメッセージを掲示。その思いを県教委に伝えるため、討論会を企画した。

 討論会では「新しい高校なのに(統廃合対象として)名前を挙げる理由が分からない」「松代に比べ、長野南付近の方が人口が増えている。(両校が統合するなら)長野南の校舎を使えばどうか」といった疑問や意見が続いた。長野南としての部活動が存続できなくなる懸念も出た。高校への愛着も含め、50分間で約40人が発言した。

 県教委の吉江速人・高校教育課長は、少子化で県立高校の削減は避けられない―との前提を説明。「(長野南のある旧第4通学区は)生徒の流出が多く、この地域でも再編整備が必要」とした上で、長野市郊外にある松代の廃止は地元生徒の通学条件などから難しい、との認識を示した。

 一方、生徒から出た意見については、高校統廃合などの議論を進める第1通学区(北信)高校改革プラン推進委員会に伝える―とした。

 坂城町の懇談会には、坂城高の教員や生徒、PTA、同窓会の約50人が参加。県教委側は、坂城を候補とした理由について、交通の利便がいいことなどを理由に挙げたが、参加者からは「町唯一の高校より、市内に3校も4校もある学校を転換した方が良い」「地元中学から進学する生徒が多い。全日制を一部残せないか」などの意見や質問が相次いだ。


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