第3通学区(南信)の高校改革プラン推進委員会(池上昭雄委員長)は20日、4回目の会合を飯田市の飯田高校で開いた。飯田下伊那地区の委員から、諏訪、上伊那、下伊那の旧通学区単位に部会を設け、地域ごとに意見を集約するよう求める声が相次いだが、他の委員から反対や慎重論も出され、この日も方針はまとまらなかった。
会合で岡庭一雄・阿智村長は「(高校という)地域の教育的資源は地域で議論すべきだ。改革に反対なのではなく、飯伊地域として高校の在り方を真剣に議論、提案したい」と述べた。熊谷秀男・みなみ信州農協生活部長も「地域の意見を反映させたいというのが地域の思いだ」と部会設置の必要性を強調した。
一方、小坂樫男・伊那市長は、部会ごとの議論は、県教委の高校再編案をたたき台として容認することにつながりかねない―との考えを示し「まず(再編案を)棚上げしてからだ」と慎重な姿勢を示した。また再編案を白紙化した上で「(旧通学区の)3地域でそれぞれ1校を削減するのなら賛成だ」と述べた。
このほか北原曜・信大農学部教授も「推進委で旧通学区の意見を反映させればいい」と主張。
事務局の吉江速人・県教委高校教育課長は「地域の意見は意見書として推進委に提出してもらうことで反映できる」とした。
この日は飯田、松川、飯田工の3高校で視察も実施。授業の様子を見たほか、校長から高校の現状について説明を受けた。