信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

飯田でシンポ―批判相次ぐ 市公民館講座第1弾
2005年7月13日掲載

 飯田市、市教育委員会、市公民館は11日夜、鼎公民館ホールで「高校改革問題を考えるシンポジウム」を開いた。市公民館が本年度から開講した「時事問題講座」の第1弾で、県教委が進めようとしている高校改革について市民に知ってもらおう―と企画。飯田長姫高と下伊那農高の市内2校を統合し新たに総合学科校を設置する再編案の公表を受け、パネリストや約550人が参加した会場からは県教委への批判が相次いだ。

 パネル討論で、牧野欽次・飯田市教育委員長は、校名を挙げた再編案の公表が現場に混乱を招いているとし「県教委は勇気をもって再編案を白紙撤回していただきたい」と述べた。高校同窓会の立場から発言した吉川米吉・下伊那農高同窓会長も「最終的には飯田下伊那地方は(県立校は現行の)8校でいくべきだ」とした。

 他のパネリストからも「農業、工業、商業といった専門高校は当地の産業振興にとってなくてはならない」(熊谷秀男・みなみ信州農協生活部長)、「総合学科校とはどんなものか、十分論じられていない」(神津隆・下伊那教育会長)など、再編案に不満が集中した。

 また、飯伊地域の県立8校を存続させた上で「学級数を減らしたり、少人数学級で考えたらどうか」「飯伊地域全体の高校で学級数の問題を考えなければならない」といった提案も出た。

 これに対し、吉江速人・県教委高校教育課長は「(8校を残すべきかどうか)まず、そこから議論してほしい」と強調。「募集定員を減らせばいいという議論もあるが、小規模校がどんどんできてしまうのが全県的な現状だ。クラブ活動の活性化などを考え、ある程度の学校規模を維持するためには再編が必要」と述べた。


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