信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

上伊那の工業高校守れ 「育てる会」―撤回要求へ
2005年7月10日掲載

 上下伊那の5市町村などでつくる「駒ケ根工業高校を育てる会」(会長・中原正純駒ケ根市長)は8日夜、市内で会合を開き、県教委の県立高校再編案では「上伊那に工業高校がなくなる」として、案の白紙撤回を求めていくことを決めた。近く署名活動も始める。

 会合は地元県議、商工会議所、同窓会など範囲を拡大し40人余で開催。中原会長が「地域で高校再編の議論が尽くされる前に具体名が示され、統合案の根拠も不明」として白紙撤回を求めることを提案、出席者も「工業高校がなくなることは産業界に影響が大きい」として全会一致で了承した。

 駒ケ根商議所の山下善広副会頭は「伊那商議所とも連携を図っている」と説明。保護者からは「企業も駒工の必要性を訴えてほしい」「通学区拡大や再編などここ数年変化が激しく、中学生も戸惑っている。子どものための議論を」などの意見が出た。

 これまで同窓会が検討していた署名活動を、育てる会主体に進めると確認。12日に諏訪市で開く第3通学区(南信)の高校改革プラン推進委員会にも白紙撤回を働き掛ける。中原会長は、再編案で統合相手とされている赤穂高校(駒ケ根市)側を交えて懇談したい考えも示した。

 上伊那の再編案では駒ケ根工業を赤穂と統合、箕輪工業(箕輪町)は多部制・単位制への転換を打ち出している。


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