信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

白紙撤回決議案―文教委で可決 「削減ありき」懸念
2005年7月 8日掲載

 県会文教委員会(牛山好子委員長、9人)は7日、県立高校の統廃合対象校を示した県教委の再編案を白紙撤回し、慎重審議するよう求める決議案を全委員の賛成で可決した。11日の本会議でも賛成多数で可決される見通し。宮沢脩・県教育委員長は同日、取材に対し「白紙撤回はしない」と述べ、年度内の実施計画策定に向けて、従来通りにスケジュールを進める考えを示した。

 決議案は、村石正郎委員(緑のフォーラム)が発議。再編案によって「(4通学区ごとの)高校改革プラン推進委員会の自由闊達(かったつ)な論議に大きな影響を与え、削減ありきの論議になるおそれがある」と指摘。推進委での論議に時間をかけ、高校生や県民の意見を十分反映するよう求めた。

 また「県立高校の発展と存続を願う会」などが提出した白紙撤回や慎重審議を求める計6件の請願、陳情を採択した。個別の高校の存続を求める陳情は継続審査とした。

 今県会では、通学区ごとの削減目安、統廃合対象校を相次いで提示した県教委の手法に「高校の魅力づくりではなく、高校数削減だけの論議になる」などと批判が続出。一方、県教委は「魅力づくりを論議するためにも、たたき台として校名を示す必要がある」とし、双方の主張は平行線をたどってきた。同日の委員会後、松沢睦司・教育長職務代理者は「(委員会可決は)教育委員に報告する」とだけ述べ、歩み寄る姿勢は見せていない。

 県会と県教委が激しい対立を残したまま、4通学区の推進委員会がどのように論議を進めていくかが、今後の焦点となる。


<前の記事 どうする高校改革 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun