信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

第3通学区で賛否両論 「部会」設置、焦点に
2005年6月28日掲載

 県立高校の第3通学区(南信)再編問題をめぐり、同学区の高校改革プラン推進委員会が旧通学区にあたる諏訪、上伊那、下伊那の3地区に「部会」を設けるかどうかで、今後の議論に大きな影響が予想される。部会を設けた場合、県教委の再編案で「現状維持」だった諏訪地区も地区内の再編案を検討する必要を迫られる可能性があるからだ。

 県教委案によると、赤穂と駒ケ根工業を統合、箕輪工業を多部制・単位制に転換し、上伊那では全日制を2校削減する。下伊那では飯田長姫と下伊那農業を統合、1校を削減する。これに対して諏訪地区は「中学校卒業者数の減少率が低い」として削減校はない。

 27日開いた同推進委の2回目の会合で、岡庭一雄阿智村長は「私たちから『県教委案を示してくれ』とは言っていない」とした上で、「地域の子供の未来は地域で考えることが必要であり、まず旧通学区単位で議論すべきだ」と提案。熊谷秀男委員(みなみ信州農協生活部長)も「(諏訪地区も含め)各地域で高校の在り方の論議を深めるべきだ」と続けて、部会の設置を求めた。上伊那の小坂樫男伊那市長も設置に賛意を示した。

 これに対して、県教委の吉江速人・高校教育課長は「何を議論して報告するのか決めた上でないと、部会の設置は難しい」と指摘。諏訪清陵高校の関哲夫校長は「部会は(結論を出すのに)時間がかかる。いかがなものか」と、部会設置に消極的な姿勢を示した。

 ただ、諏訪地区の小口武男委員(高島産業社長)は「検討期限を区切って、部会を設けるのはよいのでは」と発言。「例えば、諏訪清陵と諏訪二葉、岡谷東と岡谷南を(校地を維持したまま統合する)ジョイント校として検討してみるのも(論議の過程として)必要だ」とした。

 進行役を務めた池上昭雄委員長(KOA常勤監査役)は閉会後、3地区の地域事情が違うことなどを指摘した上で、「部会の設置は必然性がある」と話した。この日、部会設置を確認しなかった理由については「もう少し議論が必要と判断した」と述べた。


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