信濃毎日新聞ニュース特集「2007県議選」
村井知事の「直接支援」まだ一部 パイプ強調の影響読めず
2007年3月23日掲載

 30日の告示まで1週間に迫った県議選(4月8日投開票)で、村井知事が22日までに、現職5人、元職2人の立候補予定者の集会などに出席、支援の姿勢をアピールした。ただ、昨年の知事選で村井知事を支援した立候補予定者は現職だけで40人おり、「直接支援」はまだ一部だ。支援を受けた予定者が複数いる激戦区などでは、応援のバランスを取りにくい−との判断に加え、各陣営側にも知事との「パイプ」を強調することが選挙にどう影響するのか読み切れない事情もあるようだ。

 「有能な人。ぜひ続けて出てもらいたい」

 15日、小諸市内で開いた同市区(定数1)の現職、高木蘭子氏(61)の総決起大会。来賓で出席した知事はこうあいさつし、高木氏と握手を交わした。

 同市区では高木氏と、ともに新人で元市議の福島鶴子氏(67)、元福祉施設職員の草間重男氏(57)の無所属3人が立候補を表明。集会後、高木氏の陣営幹部は「知事と県議のパイプをPRできた」と強調した。

 知事は昨年9月の就任直後、「県政安定のために必要な政治的な行動は取る」と述べ、統一選では知事選で支援を受けた首長や県議を積極的に支援する考えを示した。22日も、長野市区(定数10)の石田治一郎氏(69)、松本市区(同6)の本郷一彦氏(60)の自民党2氏の集会に出席。ただ、今後は告示前日までに元職1人の集会に出席するだけという。

 背景には「全員の応援に出向けない以上、バランスに配慮しないといけない」(知事周辺)との判断がある。応援要請があったものの、同じ選挙区に知事選で支援を受けた別の予定者がおり、激しく争う構図となっていることから、メッセージを送るだけにとどめたケースもある。

 一方、予定者側も「知事の応援」がどう有権者に受け止められるか、読みかねている面もある。

 2月県会代表質問では、知事選で村井知事を支援した若手県議が、知事の県議選応援を「議会のチェック機能が後退するような行為」と批判する場面もあった。中信のある現職は、田中前知事と県会が対立を繰り返してきた経過から、村井知事には「是々非々」の立場を強調しており、「応援を頼むわけにはいかない」と話す。

 知事選での得票率は村井知事53・42%、田中前知事46・58%。81市町村のうち20市町村では前知事が上回っており、地域によっては「(知事の応援が)プラスかマイナスか微妙」(ある陣営)との見方も。

 知事は統一選前半で、昨年の知事選で支援を受けた高橋はるみ・北海道知事の応援に出向くことが決まっているが、県内での県議選告示後の応援は未定だ。知事自身は選挙応援の考え方について「『あうん』の呼吸で行っている」とするにとどまっている。


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