信濃毎日新聞ニュース特集

トリノ冬季パラリンピック

トリノ五輪閉会 パラ選手「おれらも頑張る」
2006年2月27日掲載

 17日間にわたったトリノ五輪は、テレビ映像を通じて大会を見守った県民たちにもさまざまな思い出を残した。国際交流を続ける子どもたちや選手たちは「トリノ後」に目を向け始めている。
 長野市川田小の5年担任の宮沢忠利教諭(39)は27日朝、担任のクラスでアルペンスキーに出場し最下位でゴールしたインド選手の話をした。棄権や失格の選手が相次ぐ中、「ガッツポーズでゴールしたんだ」と子どもたちに語りかけると、「すごいね」と反応が返ってきた。
 長野五輪を機に始まり、トリノ五輪にも引き継がれた「1校1国交流活動」で、同校は2001年度からインドと交流。子どもたちには8年前の長野五輪の記憶は薄いものの、「何事も一生懸命やることを伝えたい」と宮沢教諭。来年1月、同校の児童8人がインド訪問を予定しており、「息の長い取り組みにしたい」という。
 準決勝進出はならなかったが、強豪国を次々と破り7位に入った日本女子カーリング。出場した「チーム青森」と五輪行きを争った「チーム長野」の主将土屋由加子さん(25)=北佐久郡軽井沢町=は「試合を重ねるにつれてショットが決まり強かった。競技への興味が全国に広がりうれしい」と、日本の活躍を振り返った。
 次回のバンクーバー五輪出場がチーム長野の目標だ。3月の世界選手権に向け、27日午前も北佐久郡御代田町内で練習した。土屋さんは「4年後は自分たちがメダルを狙えるよう頑張りたい」。
 3月10日にはトリノ・パラリンピックが開幕する。アイススレッジホッケーに初出場する長野大4年の上原大祐選手(24)=軽井沢町=は26日まで2週間、長野市内などで全日本チームの合宿に参加した。「トリノ五輪はほとんど観戦できなかった」という。だが、女子フィギュアスケートで荒川静香選手が金メダルを獲得すると「おれらも頑張っていくか!」と、チーム全員で気勢を上げたという。「パラリンピックでチャンピオンを目指す」と力強く話した。


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