来年3月のイタリア・トリノ冬季パラリンピックに出場が内定している小林深雪さん(32)=小谷村出身=が29日、飯島町の飯島中学校で講演した。レース前の緊張感や進路を決めた時の気持ちを振り返り、「目標に向かって頑張っている人は強く、輝ける」と生徒たちを励ました。
小林さんは視覚障害があり、98年の長野冬季パラリンピックのバイアスロン競技金メダリスト。初めてのパラリンピック出場だった同大会では「身体が震え、まばたきのたびに目の前に光が走った」と語り、「その緊張感がいい方向に働いた」と振り返った。
進学先、就職、スキーへの挑戦は自分で決めてきたという。「両親は、道を踏み外しそうな時に助ければいい―と黙って見守ってくれた。それを知った時、親の大きさが分かった」と話した。
全校生徒約300人と保護者ら約200人が参加。講演の間に、バイアスロンで行う射撃の実演もした。小林さんはトリノ大会もバイアスロンとクロスカントリースキーに出場する予定。「同じ時期に高校入試がある。頑張る仲間として支え合いましょう」と呼びかけた。