県社会福祉協議会は5日、7月豪雨災害を振り返る災害ボランティアネットワーク会議を岡谷市のおかや総合福祉センターで開いた。被災地にボランティアを派遣した7市町の社会福祉協議会のうち、6社協の関係者ら約30人が出席。県内外から延べ9000人余りのボランティアを受け入れた経験から、支援態勢の課題を考えた。
7月豪雨災害では、約2000戸の床上・床下浸水被害があった諏訪市や、土石流災害で8人の犠牲者が出た岡谷市など計6市町で、各社協が中心となって災害ボランティアセンターを設置。被災者の要望を把握し、ボランティアを派遣した。
会議ではセンターについて、ボランティア団体役員らが「当初はボランティア派遣を申し出ても要請がなく、歯がゆい思いをした」と指摘。センター運営側からも「ボランティアの数が被災者の要望より多く、調整が大変だった」「被災者から支援を求める声がなかなか出ず、担当者が1軒ずつ聞いて回った」などの報告があった。
被災地で自主防災組織がうまく機能しなかった例も報告された。被災地の民間支援に詳しいNGO代表の桑原英文さん=大阪府=は「高齢化や近所付き合いの希薄化が進む中、地域の自治能力を見極めた対応が重要。住民が遠慮せずに支援を求める『助けられ上手』の意識を広げることも大切」と助言した。
県社協職員は「地震や水害、雪害など地域それぞれで心配される災害について、広域で協力態勢が築けるようブロックごとの会議を開いていきたい」と話した。