信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

年度内にも提言まとめへ 県が土石流災害検討委
2006年9月30日(10:04)

 7月の豪雨災害を受け、今後の土砂災害対策や警戒・避難態勢のあり方を検討する県の「土石流災害検討委員会」が29日、長野市内で初会合を開いた。死者が出た岡谷市の事例を中心に土石流の発生原因や避難状況を検証し、年度内にも今後の被害軽減に向けた提言をまとめる。
 検討委は、今回の被災現場を調査した砂防、治山の学識経験者、国土交通省所管の独立行政法人の研究者ら6人で構成。
 この日は県側が、岡谷市の小田井沢川、志平川、的場川を中心に土石流のはんらん範囲や建設予定の砂防えん堤の概要などを説明。委員からは詳細な土砂流出量のデータなどを求める声が出た。今後は土石流の発生源、流下途中の沢筋、土砂の堆積(たいせき)地域の3区域に分けて対策を話し合う方針。
 今回の災害は、土砂災害が頻繁に起きていたわけではない場所で土石流が発生し、被害が拡大した。委員長に就いた北沢秋司・信大名誉教授(治山・砂防学)は終了後、「住民の生命が失われないよう、どんな水準で対策を講じればいいか議論しないといけない」と話した。
 検討委は12月と来年3月に会合を開く予定。あらためて現地を視察することも検討している。死亡した被災者の状況などを議論する場合があるとして、この日は冒頭以外は非公開とした。


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