信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

現場歩き、原因学ぶ 土石流発生の岡谷・志平川
2006年9月25日(10:04)
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 七月の豪雨災害で、住民一人が死亡する土石流が発生した岡谷市川岸の志平川で二十四日、「災害現地を歩いて学ぶ会」が開かれた。地元住民ら約百七十人が参加。土石流の跡に沿って歩きながら、諏訪地方の地質に詳しい北沢和男市教育長(70)を講師に発生の原因などを学んだ。
 会は「現場を見て災害の発生メカニズムを正しく知ろう」と、地元の橋原区、橋原自主防災会などが開いた。
 天竜川沿いの集落から土石流発生地点まで、山道約一・六キロを登った。志平川には普段水がなく、多量の雨が降ったときに水が流れるという。途中には、土石流で倒されたカラマツやヒノキが何本も折り重なったり、押し流されて積もった土砂が残り、住民からは「土石流の力はすごい」などと驚きの声が上がっていた。
 北沢教育長は土石流の原因について「『塩嶺累層』という保水力が少ない地層の上に積もった火山灰などが、豪雨で水をためきれなくなり崩れた」と推測した。区長の熊谷武市さん(69)は「今回の災害の被害や原因を後世に伝え、今後の対策に万全を期したい」と話していた。
【写真説明】岡谷市の志平川の土石流発生現場で北沢和男・市教育長の解説を聞く住民ら


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