伊那市の市民団体「三峰川みらい会議」は10日、7月豪雨による三峰川の変化を調査した。三峰川では1983年の「五八災」以来の大水だったと確認。豪雨前の中州や河川敷が本流に変わっているところが随所にあり、流れを固定することの困難さを実感していた。
会員や住民ら15人が参加。両岸の堤防上などに市が10年前に整備したサイクリング・ジョギングロードのうち、富県桜井のがけ下の約120メートル区間が流失した現場では大きな岩が露出。「昔はこの前に大きなふちがあった。流れが昔に戻った」と複数の参加者が証言した。
会員や住民有志が1月、樹木を伐採した上新田の河川敷では、幅約10メートルにわたり河床がかなり下がっている跡を発見。「伐採しなかったら、下流に大量の樹木が流れただろう」「樹木が無くなったことで、三峰川自体の流れもスムーズになったのでは」など、防災効果があったとした。
国土交通省が根こそぎ樹木を抜く「自然再生事業」を行った美篶青島付近の河原は、いす代わりになる大石なども置き「親水広場」としても整備してあったが、その多くは流されていた。
参加者はまとめの検証会で「川の流れは固定できない」との認識に立ち、会の活動テーマの一つである「川と親しむ」をどう実現していくかを、あらためて会の課題として確認した。
【写真説明】サイクリング・ジョギングロードが流失し、大きな岩が出現した三峰川