伊那建設事務所は6日、7月豪雨災害の概略調査結果をまとめた。土石流災害の流出土砂量は、伊那市西春近の柳沢地区が上伊那地方では最大の約7万4000立方メートルに上り、県内最大規模とみられる岡谷市湊地区の土石流に匹敵することが分かった。
同建設事務所は、山際を通る中央道で約2万5000立方メートルの土砂を食い止めたことが、犠牲者や負傷者を出さずにすんだことにつながったとみている。人家や田畑のある地区内へは約2万6000立方メートルが流出。地区まで達しない中腹の河川周辺にある「不安定土砂」は約2万3000立方メートルに上った。
このほかの地区の流出土砂量は不安定土砂を含め、箕輪町北小河内地区が約3万4000立方メートル。辰野町赤羽地区が約3000立方メートル。辰野町小野地区の斜面崩落は8750立方メートル。
本調査の結果は年度内にまとまる予定で、土砂流出量の記録も変わる可能性があるという。
諏訪建設事務所が7月下旬に示した岡谷市湊地区の流出土砂量は推定約6万立方メートル。これには不安定土砂量は含まれておらず、本調査ではさらに多くなる見通し。