信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

天竜川の早期改修を 3市町が中部地方整備局に要望
2006年9月 7日(10:17)

 7月豪雨で諏訪湖の流入河川が逆流し、浸水被害を受けた湖周3市町の首長らは6日、湖から流れ出る天竜川の大半の区間を直轄する国土交通省中部地方整備局(名古屋市)に同河川の流下能力を高める改修工事を早く進めるよう要望した。諏訪湖から天竜川に毎秒600トン放流できる能力がある釜口水門が、現状の河川改修では最大で400トンしか放流できないため。要望では「事業の遅れは流域住民の生命、財産を再び危険にさらしかねない」と訴えた。
 岡谷市の林新一郎市長と諏訪市の山田勝文市長、下諏訪町の青木悟町長、各市町担当者ら9人が同局を訪れ、細見寛河川部長らに要望書を提出。林市長は「釜口水門の600トン放流実現には、天竜川上流部の流下能力を拡大することが急務」として早期の河川改修などを求めた。
 細見部長は「現在、改修計画の細部を詰めている。少しでも多く、安全に下流に流せるよう計画を立てたい」と答えた。同局河川計画課によると、天竜川では河川整備基本方針を策定中。担当者は「7月豪雨の雨量規模で災害が起きないような改修から段階的に進めたい」としている。
 また、山田市長は豪雨が予想される際、諏訪湖の水位をあらかじめ低く抑えておくための釜口水門の事前放流について、水門の操作規則に盛ることを了承するよう求めた。細見部長は「(水門を管理する)県と相談し、検討したい」とした。


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