信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

心のケア「時間をかけて」 岡谷で住民対象の講演会
2006年9月 7日(10:14)

 7月豪雨で土石流災害を受けた岡谷市湊の花岡区の住民を対象に、被災後の心のケアについて学ぶ講演会が5日夜、地元公民館で開かれた。住民ら約40人が出席。諏訪赤十字病院(諏訪市)の上条幸弘医師(脳神経外科)から、心の不安との付き合い方を聞いた。
 同区の保健委員が主催。上条医師は被災者について「程度の差はあっても心の重荷や傷といったストレスをそれぞれ抱えている」とした。不安や混乱、不眠、自分が助かったことへの罪の意識などは「異常事態の中での正常な反応」と指摘。自分の抱える不安について話し、涙を流し、時間をかけて対処することが大切と呼び掛けた。
 また、専門家よりも地域での支え合いがケアには有効とし、被災者らを「傷あとは残っても傷は治る。また元気になれる」と励ました。
 市も9月から、被災住民の依頼に応じて保健師が訪問し、健康上や心の悩みの相談を受ける事業を始めている。担当者は「災害から1カ月余りたち、少し落ち着いた時期に心の問題が出てくる可能性がある」として利用を呼び掛けている。


<前の記事 大雨被害 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun