信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

防災に生かそう 10日諏訪で公開シンポ
2006年9月 6日(10:08)

 信大自然災害科学研究会と同大山岳科学総合研究所は10日、公開シンポジウム「平成18年7月長野県豪雨災害に学ぶ」を諏訪市文化センターで開く。8人が亡くなった岡谷市の事例を中心に、現地を調査した同大教授らが土石流発生の状況や地質学的な背景について講演する。
 同研究会と研究所は豪雨災害発生直後から、岡谷市や上伊那郡辰野町などで調査を実施。災害発生前から蓄積していた地層のデータも用い、土石流発生の仕組みなどを調べてきた。同市湊地区では、現場の沢で古い土石流の堆積(たいせき)物も確認したという。
 シンポジウムは、こうした調査を踏まえた科学的観点からの分析を、今後の防災に生かしてもらおうと企画。理学部の小坂共栄教授(層位学)が、過去30年に県内で起きた土砂災害と地質の関係について講演。全学教育機構の大塚勉・助教授(構造地質学)が7月豪雨災害の特徴や地質学的背景を、農学部の北原曜教授(治山工学)が土石流の流れや圧力などについて、それぞれスライドを交えて話す。
 このほか、調査に加わった植物学や気象学専門の研究者が参加しての討論や質疑応答もある。午後1時から6時まで。入場無料。問い合わせは理学部の三宅康幸教授(電話0263・37・2480)へ。


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