信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

復旧のめど立たず困惑 実質所有者不明の下諏訪の私道
2006年9月 5日(10:07)
06090502.jpg

 7月の豪雨で生活道の石垣が崩落するなどした下諏訪町東高木の住民らが、台風の時期を迎えた現在も復旧のめどが立たず困っている。道路が私道で実質的な所有者が分からない上、復旧費用もかさむ見通しだ。住民有志は「東高木第2班被災者協議会」を設立、4日に定例会が開会した町議会と町に対して、速やかな復旧や費用の公的救済、復旧後の町への移管の検討などを求める陳情を提出している。
 7月18日午後9時ごろ、傾斜地を横切る私道を支える石垣が崩れ、道路が最大で幅約2・5メートル、長さ約15メートル、高さ約3・6メートルにわたり崩落。給水管2本が破損し、すぐ下の民家1軒が半壊した。私道は幅3・7メートルで、地域住民が生活道路として使用していたが、現在は車が通れない状態が続いている。
 登記簿や同協議会によると、私道の所有者は戦後初の民選知事を1947−1959年に務めた故林虎雄さん。ただ、相続者がはっきりしていない。同協議会の前沢幸一代表は「現在の土地所有者が分からない上、復旧費用は1000万円を超えそうで、地元での負担は難しい」としている。
 町は、災害直後に土のうやビニールシートによる応急措置をし、8月上旬にはボーリング調査を実施した。
 陳情について青木悟町長は「内容を含めて協議しており、(今後の対応は)今の段階ではコメントできない」としている。町議会は4日、この陳情を経済建設常任委員会に付託、12日からの常任委員会で検討する。
【写真説明】7月の豪雨災害で私道とそれを支える石積みが崩落した下諏訪町東高木の現場


<前の記事 大雨被害 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun