信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

伊那の殿島橋新ルート固まる 残存部分の仮橋活用断念
2006年9月 3日(09:46)

 伊那市の天竜川・殿島橋(歩行者・自転車専用)の架け替え計画で、伊那建設事務所は1日夜、新橋の設置位置を地元住民と検討し、方針を固めた。7月豪雨で沈下し一部撤去した現橋の残存部分を仮橋に活用する構想は断念した。

 新橋の右岸(西春近)側の設置位置は現橋より40―50メートルほど上流で、国道153号と県道南箕輪沢渡線がY字に合流する沢渡交差点付近に接続。左岸側は現橋と同所付近になる。建設事務所は今後、地元説明会で地権者らに理解を求め、設計に入る。災害復旧事業の適用を予定し、橋本体は2007年度内に完成させ、周辺の取り付け部や交差点改良は08年度内の事業終了を目指す。

 市西春近支所で開いた検討会は地元区長や小中学校PTA関係者、公募住民など35人で構成。7月7日の初会合では、上流の春近大橋に歩道を増設する案、下流側に架ける案なども出た。

 1日の第2回検討会では、建設事務所が各案を技術的に評価した結果を報告。国道との高低差が少なく取り付けが容易なことや、国道の渋滞緩和にもつながる沢渡交差点付近への取り付けが最善であり、春富中の生徒も通いやすいとした。住民側も全会一致で了承。Y字路を直角交差に改良するよう求める意見も相次いだ。

 現橋の残存部分は、左岸側の橋脚2本が当初見込み以上に傾きが大きく、補強も困難と分かり、国土交通省と協議した結果、使用を断念したという。近く地元に対し、新橋完成までの交通対策を報告する予定だ。


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