信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

諏訪湖のワカサギ投網漁 流入の木、網破る
2006年8月11日(09:01)
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 諏訪湖漁業協同組合(諏訪市渋崎)は10日、諏訪湖で今季初めてワカサギの投網漁をした。出漁した30人余の出荷量は計94・4キロ。昨年8月1日の初漁時の約100キロとほとんど変わらなかったが、7月豪雨で流れ込んだ木の枝や根で網が破れた漁師もおり、「怖くて網を打てない」との声も上がった。
 午前5時半、諏訪湖沖から下諏訪町南四王の船着き場に戻った小口高志さん(66)=西四王=は「もう、やる気がなくなる」。例年はこの時期に10キロ余りを取るが、途中で網が破れ、約3キロしか取れなかった。近年のワカサギのキロ単価は1000円ほど。「網を直すのに半日かかる。3キロばかりじゃどうにもならない」
 小口昭志さん(62)=東赤砂=も「諏訪湖中ごみだらけで、怖くて網が打てない。一度強い風が吹いて流れてくれないか」と話していた。
 同漁協の中沢章組合長によると、1983(昭和58)年の豪雨では、ワカサギが5トン余、コイやフナを合わせると10トン余りが天竜川へ流れたという。7月豪雨の影響はまだ数字には表れないが「今回も流出したのではないか」と危ぶむ。
 ワカサギ漁の本格解禁は9月。お盆の需要を前に暫定的に解禁する12日まで3日間の漁獲量から、今後の漁の日程を決める予定だ。
【写真説明】最後に打った網からワカサギを取り出した組合員。7月豪雨で流入した木の枝などが漁の支障になっている


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