県諏訪湖事務所は9日、諏訪湖で1日に実施した月1回の水質調査結果(速報値)を発表した。汚濁度を示す化学的酸素要求量(COD)は1リットル当たり4・3ミリグラムで、同事務所によると8月としては珍しく低い数値。「7月の豪雨で大量に水が流れ込み、アオコの原因となる植物プランクトンが天竜川に流された」とみている。
1日2回測る湖心の透明度は平均1・3メートル。アオコが出始めた7月4日の調査では1リットル当たりのCODが6・5ミリグラム、透明度は平均93センチだった。植物プランクトンが減り、濁りが少なくなったことが分かった。
一方、1リットル当たりの全窒素は7月4日の0・56ミリグラムから1・3ミリグラムに増加。中でも植物プランクトンの栄養となる、水に溶けた硝酸態窒素が0・02ミリグラム未満から1・0ミリグラムに増えており、豪雨により農地や市街地から流れ込んだとみられる。
ただ、全リンは7月の0・055ミリグラムから0・046ミリグラムに減少した。リンも土砂に付着して流れ込んだとみられるが、同事務所は「豪雨から10日余りたった後の調査で、土砂が沈殿したため数値に表れなかった」と説明。「硝酸態窒素がかなり増えているとはいえ、アオコの発生には水に溶けているリンとのバランスなどが影響するため、爆発的にアオコが出るかは分からない」としている。