信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

防災メール登録急増 岡谷市配信 1週間で新規534件
2006年8月 4日(09:48)
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 岡谷市が防災行政無線の内容などを電子メールで携帯電話やパソコンに配信するサービスの新規登録件数が、7月の豪雨災害発生後から1週間で534件と、昨年度1年間の468件を上回る急増ぶりを見せた。2003年に始めたサービスの登録は、2日現在で累計1743件に。場所によっては聞き取りにくい防災無線に比べ、どこでも情報が手に入る強みが見直されたようだ。
 配信サービスは、防災行政無線のほか気象、地震、火災、防犯の計5分野で情報を流している。市のホームページや携帯電話から無料で登録できる。これまでの登録は「一日に多くても数件」(市総務課)だった。だが、災害発生当日の7月19日が40件、20日は132件、21日165件と急増した。
 市内には防災無線を放送するスピーカーが44カ所に設置され、大雨注意報から行方不明者の捜索まで、さまざまな情報を流している。ただ、雨や風の音でよく聞こえず、スピーカー同士の音が重なって聞きづらい−との声が以前からあった。今回の災害発生後も被災住民らから同様の指摘が寄せられたため、市は20日、市内の各避難所にサービス登録の手順を案内したチラシを配布し、利用を呼び掛けた。
 避難指示で近くの公会所に避難した同市湊2の50代の主婦は「避難所は情報が不足しがちだったが、サービスを登録していた人から被害状況などを教えてもらい、安心できた」と話し、近くサービスに登録しようと考えている。
 ただ、高齢者など携帯電話を持たなかったり、持っていてもメールを利用していなかったりする住民への対応が課題だ。市は「情報が届かない年代があってはいけない。どうやったら補えるか考えたい」としている。
【写真説明】岡谷市から送られた避難勧告の解除を知らせる電子メール


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