土石流災害が起きた岡谷市に救援活動で訪れたボランティアや派遣された県職員らが、受け入れ窓口の市災害救援ボランティアセンターがある市役所で1−2時間ほど待たされる事態が、ほぼ連日続いている。ボランティアの受け付けや被災住民の要望に合わせた配置に手間が掛かるためだ。災害発生から2週間。復旧支援の必要性が高まる中、事務局は対応に苦慮している。
3日午前10時。センター窓口で受け付けが始まって1時間半がすぎても、約30人の県職員がテントの下で、被災した湊地区へ向かう輸送バスを待っていた。
ボランティアと県職員はそれぞれ受け付けで4人1組の班を組み、ほとんどが湊地区に行き、湊小学校にある現地拠点で活動を割り当てられる。この日参加した県職員は約360人。うち約160人はセンターでの受け付けの手間を省き、湊地区に直接向かった。それでも残りの人は受け付けで待たされたり、市が用意したバス6台が渋滞に巻き込まれ現地への到着が遅れたりした。
午前9時に窓口に来た上田市の30代の女性養護教諭は「遅刻かと心配したが、結局1時間待った」。上伊那地方の20代の男性県職員は「待ち時間はもったいないが、センターも大変なので責められない」と話した。
センターによると、受け付け人数は当日まで把握できず、振り分けが難しいという。被災住民からの支援要請は、センターが各地区経由などで前日までに受け付けるのが原則。ただ当日に「すぐ来てほしい」との要望が出ることもあり、現場への人員配置は変則的だ。
センター事務局の金子明・市社会福祉協議会事務局長は「待機も使命、と説明して理解を求めている」とし、「住民要望に十分にかなうボランティアの配置に頭を悩ませている」と話している。