信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

伊那・殿島橋の右岸部を撤去 橋脚沈下被害で
2006年7月31日(09:01)
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 梅雨前線豪雨による天竜川の増水で橋脚2本が沈下した伊那市の殿島橋(延長214メートル)について、伊那建設事務所は30日、崩れかかっている同橋の右岸側54メートルを撤去した。地元住民らが複雑な思いで見守る中、1936(昭和11)年建設のコンクリート橋が徐々に崩された。
 請負業者が27日から着手。この日は午前8時から約7時間かけ、作業員が慎重に重機を操りながら橋げたや路面を崩した。
 地元や近隣の住民も岸から作業を見学。カメラやビデオで撮影する人もいた。右岸のたもとに住む酒井孝一さん(72)は「子供のころ、舗装道路は殿島橋だけ。橋の上でこま回しやたこ揚げをしてよく遊んだ」と寂しそう。地元の沢渡区長の原俊樹さん(65)は、橋からの送り盆の催しを懐かしむ一方、「天竜川から取水している用水も心配」と作業が早く進むよう望んでいた。
 同橋を挟み、右岸の西春近と左岸の東春近の住民が橋上で“境界”をかけた綱引き陣取り合戦を毎年9月に行う「どんぴちゃ祭」も、今年は中止を余儀なくされている。
【写真説明】橋脚が沈下した部分を撤去した伊那市の天竜川に架かる殿島橋


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