岡谷市の湊、川岸両地区の土石流災害現場で活動してきた陸上自衛隊松本駐屯地の災害派遣部隊が29日、撤収した。被災住民の避難所になっている岡谷南部中学校で終了式が開かれ、地元住民らに見送られながら現場を後にした。
会場には警察官や消防署員、消防団員、地元住民ら計200人余が集まり、自衛隊員71人を迎えた。自衛隊員はこの日も、湊の災害現場で遺体の一部が見つかった花岡滋さん=当時(75)=の捜索に参加していた。
市災害対策本部長の林新一郎市長は「厳しい環境の中での昼夜の捜索活動に深く感謝する」とあいさつ。滋さんの長男義樹さん(45)も「長い間苦労して捜索していただき、ありがとうございました」と声を震わせながら家族と一緒に感謝の気持ちを伝えた。
同駐屯地によると、新潟県内の2駐屯地からの応援を含め11日間で延べ約1000人が行方不明者の捜索に当たった。
【写真説明】岡谷市の土石流災害現場を撤収する自衛隊部隊の車両を見送る地元住民たち=岡谷市湊の岡谷南部中学校