１９日の土石流発生から全面通行止めが続いている県道岡谷茅野線の岡谷市釜口水門―小坂信号間が２７日、地元の湊地区の住民に限り、車で通行できるようになった。通勤などの行き来に不便を感じてきた避難住民を含む地区住民の声に応え、岡谷市が通行許可証の発行を始めた。
同線は諏訪湖岸の西側を通って岡谷、諏訪両市を結ぶ。沿道には避難所の湊小学校と岡谷南部中学校があるが、これまで両校間が通行止めだった。住民たちは通行止め区間の先へ行くのに諏訪湖周を大回りせざるを得なかった。
通行許可証は、２カ所の避難所で２６日夜から、避難住民以外を対象とする小坂公民館と花岡区民センターでは２７日午後３時から発行。午後５時までに計５００台分余の申し込みがあった。
市災害対策本部によると、自転車やバイクなどの二輪車は「許可証を張る場所が少なく分かりにくい」との理由で対象外。徒歩も安全上の理由から、今後の検討課題としている。自転車とバイクしか持っておらず許可が下りなかった男性（７１）＝湊３＝は「近場では食料品しか買えない。なんとか二輪車も通してもらいたい」と願っていた。
