豪雨で土石流が発生し、避難勧告発令から8日目を迎えた岡谷市湊の137世帯に26日、2回目の一時帰宅が許可された。貴重品や当面の着替えを持ち出した23日の初回に比べ、避難所生活の長期化を懸念し、自宅の周囲に残った土砂の片付けや、浸水した床下が腐っていないかの点検などに時間を割く姿が見られた。
2回目の一時帰宅は午前10時から午後5時半までを2時間ずつ3回に分け、計88世帯205人が参加。スコップを手に避難所の湊小学校から自宅に向かった男性は「自宅の周りに残る土砂を放っておくと土台が腐るかもしれない。帰宅時間の2時間で、できる限り取り除きたい」と足を速めた。
諏訪市の長女宅に身を寄せている小口多女子さん(78)は、着替えを集めながら「家も比較的無事で(避難先での)生活に不自由はないけれど、家を空けていることは苦になる」。
岡谷市内の親せき宅に家族で避難している会社員、斉藤稔さん(50)も「早く自宅で生活したい気持ちはあるが、とにかく行方不明の人が早く見つかってほしい」と気遣い、3日ぶりのわが家に向かった。
【写真説明】深さ80センチほどの土砂が流れ込んだ台所を片付ける住民