信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

北アの上高地―横尾間 多数の登山道が損壊
2006年7月25日(09:52)
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 豪雨の影響で、北アルプス穂高連峰や槍ケ岳に向かう松本市の上高地―横尾間の登山道が多数損壊している。通行できない個所はないが、増水した梓川の流れで一部が削り取られたり、沢からの土砂流出で埋まったりしている。市や環境省などは24日、市内で緊急対策会議を開催。山小屋関係者などから「入山者が増える梅雨明けに備え、早急に復旧を」との声が相次いだ。
 中信森林管理署(松本市島立)で開いた会議には環境省、国土交通省、林野庁、上高地町会などから約20人が出席。各機関が把握した被害状況を報告した。市安曇支所によると、上高地―横尾間(約10キロ)の梓川左岸だけでも、登山道や近くの沢などの15カ所で豪雨の被害を受けた。
 それぞれの報告によると、豪雨の後、市が登山道に堆積(たいせき)した土砂を取り除いたほか、付近の山小屋が沢に丸太を渡すといった応急処置をしたため、通行はできる。だが、山小屋経営者や上高地町会からは「次に大雨があると被害が拡大する恐れがある。早急に本格復旧させてほしい」「作業が大規模になる河川関係の復旧は、応急処置を含めて行政が責任を持ってしてほしい」などの要望が出た。
 市安曇支所は、上高地―横尾間の登山道のうち被害の大きい上高地―徳沢間の3カ所と、横尾付近の梓川沿いの崩落地1カ所について「登山者や観光客の安全を確保するため、市として早急に仮復旧を検討したい」とした。
【写真説明】豪雨で梓川(左)が増水したため一部が大きく削り取られた徳沢―横尾間の登山道=23日


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