信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

派遣の県職員2200人、浸水家屋などで作業
2006年7月23日(09:20)

 1400人余りが諏訪市入りした県職員は8班に分かれ、市災害対策本部の指示で、河川の土砂を除去したり浸水家屋から畳や家具を運び出したりした。北真志野区では約400人が、民家約20軒の屋内や周囲の土砂をバケツリレーなどで川へ。同区役員の男性(67)は「家人の力だけではどうにもならなかった。随分、作業が進んだ」と喜んだ。
 山田勝文諏訪市長によると、21日夕、県から「諏訪市と下諏訪町に計2000人を派遣したい」との申し出があり、「1500人程度は受け入れられる」と回答した。
 諏訪郡下諏訪町には県諏訪地方事務所長から「(職員を)どんな形で使ってもらってもいい」と打診があった。青木悟町長は「町民要望がまとまっていない」と判断し、諏訪湖岸の清掃を依頼。360人がごみを拾ったり、ヨシを片付けたりした。
 町長は「急だったが、手弁当で一生懸命やってもらいありがたい」とする一方で、「日ごろからのハード面での防災対策もしっかりしてほしい」と注文もしていた。
 約50人が入った上伊那郡箕輪町北小河内地区でも、住民から「早急に入ってもらい非常にありがたい」と声が出た。
 一方、県職員からは、前日夕から夜にかけての急な派遣決定に不満も。諏訪市内で家屋の片付けに参加した40代の男性職員は「派遣自体悪いことではないが、地元の要望を聞いた上でないと非効率」と指摘。23日に派遣される女性職員は「作業内容が分からないので、どんな道具を持っていけばいいのか」と戸惑っていた。


<前の記事 大雨被害 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun