信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

繁忙期矢先の痛手 駒ケ岳ロープウェイへの県道不通
2006年7月22日(10:45)
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 梅雨前線による豪雨で、宮田村黒川平の山腹で大規模な土砂崩れが発生、せき止められた黒川に並行して走る県道駒ケ根駒ケ岳公園線が、約250メートルにわたって水流に浸食された。21日、村、駒ケ根市、県の職員が現地を視察し復旧方法を検討した。県道は中央アルプス駒ケ岳ロープウェイへのバスの運行ルート。ロープウエーは夏の繁忙期に運行中止を余儀なくされ、観光関係者は頭を痛めている。
 村などによると、県道は19日午後6時40分ごろ、高さ約150メートル、幅約80メートルにわたって崩れた。黒川は崩落した土砂で本流が二手に分かれ、県道が新しい流れに。このため、県道は太田切川に架かる駒ケ根橋付近から西側が全面通行止めになっている。
 ロープウエーを運行する中央アルプス観光(駒ケ根市)の朱宮昭次取締役は「影響は計り知れず、道路の早期復旧をお願いするしかない」。同社は「ロープウエーとホテル千畳敷は、バスが運行できるまでは営業を再開できない」としている。
 中アや駒ケ根高原などは7月中旬から8月までが書き入れ時。ホテルやまぶきの宇佐美宗夫社長は「トップシーズンに入った矢先の大災害。今後が非常に心配」。20−23日は、予約で満室だったが、諏訪、伊那の豪雨水害でほとんどがキャンセルになったという。宇佐美社長は「駒ケ根は大丈夫だとPRする必要がある」と話す。ほかの温泉宿でも「ロープウエーに乗れないなら」とキャンセルが相次いだ。支配人は「高速道や国道も復旧の見通しが立たないと、首都圏や中京、関西からの客足が遠のく」と気をもんでいた。
 伊那建設事務所はまず、黒川をせき止めている土砂を除去し、川の流れを元に戻す工事を行う。担当者は復旧のめどは立っていないとするが「仮設道路をつくる工事自体は1日あればできる。バスだけでも通れるようにしたい」としている。
【写真説明】黒川の流れにえぐられ、約250メートルにわたって陥没した県道駒ケ根駒ケ岳公園線


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