信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

辰野で2遺体確認 県内豪雨 1800人なお避難生活
2006年7月22日(10:53)
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 梅雨前線による豪雨災害で、21日午後、上伊那郡辰野町で新たに2人の遺体が見つかり、死者は計9人となった。岡谷市と上田市で計2人が依然行方不明。県によると、同日夜、自主避難も含め17市町村の約1800人が避難している。
 岡谷署によると、21日午後5時27分、辰野町小野の土砂崩れ現場で小沢矩子さん(67)を遺体で発見。同町伊那富では同5時49分、辰野中学2年根橋清香さん(13)の遺体が見つかった。
 岡谷市で起きた土石流で行方不明になっている同市湊3の花岡滋さん(75)の捜索は21日、強い降雨のためいったん中断したが、現場上部に土石流の感知センサーを設置した後、23日朝に再開する方針。
 上田市手塚の産川で新聞配達中に川沿いの市道の陥没個所から車ごと転落したとみられる小林正子さん(57)は、上田署が21日も午後5時半まで捜索したが見つからなかった。22日も自治会や消防団なども加わり約280人態勢で捜索を続ける。
 岡谷市では湊1の秋葉山の斜面が動いた−との21日午前の目撃情報を受け、市の依頼で信大農学部の北原曜教授(治山工学)が同日、付近を調査した。山腹の亀裂など土砂崩れの予兆は見られず、市は22日朝、職員が現場の安全を確認した上で避難指示を解除する方針。ただ、斜面の一部が崩落した湊1の花岡公園南側周辺の53世帯は引き続き避難指示とする。
 伊那市は21日、高遠町藤沢の松倉地区で大規模な山崩れの恐れがあるとして周辺に避難指示を出した。斜面に亀裂が見つかった上伊那郡南箕輪村も避難指示や避難勧告を出した。
 中央道諏訪−伊北間の上下線通行止めなど道路網の混乱も続いた。
【写真説明】避難先の田中小学校で、避難指示の状況について岡谷市の北沢教育長(右端)の説明を聞く湊地区の住民ら=21日午後8時、岡谷市田中町


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