信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

連夜の捜索に焦りと疲労
2006年7月21日(09:29)

 行方不明者の出ている岡谷市や上田市の豪雨災害現場では、20日午後も捜索活動を展開。夜に入り雨の降り出した所もあり、捜索に当たる人は「早く見つけ出したい」と懸命の作業を続けた。
<岡谷>
 2日続けて徹夜態勢での捜索になった岡谷市湊の土石流災害現場。20日午後7時ごろには、再び本格的な雨が降り始め、投光器の明かりの中、消防、自衛隊員らがかっぱ姿で黙々と行方不明者を捜した。交代で捜索に当たる岡谷市消防団の林義郎団長は「2次災害発生の危険もあるので、残りの不明者を早く見つけ出したい」と話した。
 この日は、国土交通省の後藤茂之政務官が同省担当職員とともに災害現場の現地調査に訪れた。後藤政務官は「自然の猛威を目の当たりにした。われわれとしてもできる限りのことをしたい」と消防団員らに話した。また、県警の渡辺巧本部長も現場を訪れ、災害状況を確認した。
 この日午後までに土砂でふさがれた道路が一部で通れるようになり、自宅の様子を見にいく被災者の姿もあった。
<上田>
 上田市手塚の産川に19日朝、軽自動車ごと転落したとみられる同市新町の新聞配達員、小林正子さん(57)の捜索は、現場から千曲川合流地点にまで対象を広げて再開したが、小林さんの行方は分からなかった。
 この日は午後6時に捜索を終え、関係者が近くの公民館に集まって今後の方針を検討。新町自治会の黒坂周会長(63)は焦りや疲労感をにじませつつ、「早く見つけたいという思いはあるが、努力の成果が出ず悔しい。明日以降、水位が下がること、雨が降らないことを祈る」と話した。


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