信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

農業被害が拡大 須高でモモなど12億5千万
2006年7月21日(09:25)

 梅雨前線豪雨で、果樹や野菜を中心に県内の農業被害が広がっている。県農協中央会や全農県本部などでつくる県農協農作物災害対策本部の二十日現在のまとめでは、農業被害額は須高(須坂市)、グリーン長野(長野市)の両農協管内で約12億5000万円。ただ、大きな被害を出した諏訪、上伊那地方では被害状況が不明で、同本部は把握を急いでいる。
 同本部によると、北信地域では、長野市や上高井郡小布施町、中野市などの千曲川河川敷内で栽培されるモモなどの果樹が冠水。収穫がほぼ無理な状況になった。長野市松代町の長芋畑で畝が陥没したり、飯山市でアスパラの畑が冠水するなどの被害も出ている。中野市延徳地区では、キノコ農家4軒で栽培施設が浸水した。
 南信地域では、諏訪湖周辺部で水田が冠水したり、イチゴの栽培ハウスに浸水。上伊那地方でも、伊那市や上伊那郡宮田村、中川村、駒ケ根市で水田や花き、野菜への被害が出ており、「今後の作柄に影響する恐れがある」(対策本部)としている。
 須坂市の千曲川河川敷では20日、農家は流れてきたごみを除去する作業などに追われた。モモやネクタリンを栽培する花井聡さんは「ネクタリンはちょうど19日に収穫するつもりだったが、全部駄目になってしまった」。近くでモモを栽培する女性も「一昨年の台風は収穫後だったが、今回はちょうど収穫期。こんな被害は初めてだ」と肩を落としていた。


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