信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

<天竜川>湾曲部で削られた堤防
2006年7月19日(14:22)

 決壊した上伊那郡箕輪町松島区北島の天竜川右岸堤防。深沢川との合流点から約100メートル下流の大きく湾曲した部分で、町によると、午前9時ごろから濁流に徐々に削られた。町はJR飯田線と天竜川の間の松島区と三日町区の一部計830世帯、約2100人に避難指示を出した。
 現場北側にある清掃用品店の男性は午前10時ごろ、堤防道路の盛り土が数10メートルにわたり崩れ、川から30メートルほどまで水があふれているのを見た。「近くにある住宅地に迫っている」。現場から約300メートルほど北西の機械部品会社社員、水野明さん(32)は「決壊個所に積んだ土のうはほとんど役に立たない」と話した。
 伊那市西春近柳沢地区の前沢川では午前3時20分ごろ土石流が発生。川は中央道の下をくぐっているため土石や流木が引っかかり、中央道や周辺の民家の庭、田畑などにも流れ込んだ。市は近くの住民6世帯18人に避難勧告。近くの農業平沢一雄さん(62)は農機具小屋が被害に遭った。大雨が降り始めた15日夜から前沢川には大きな石が流れていたというが、「昨夜は石が流れる速さが比べものにならなかった」。
 同市山寺区天竜町では午前6時すぎに8軒が床上浸水し、消防団員らがポンプ3、4台で排水した。現場は居酒屋や住宅が立ち並び、親せきを心配して来たという60代男性は「狭い路地が水でびちゃびちゃ。こんな浸水は一昨年10月の台風23号以来だ」と話した。


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